地球化学は、太陽-惑星系の形成と進化、地球内部に存在する物質の構造とその進化、さらには大気圏・水圏を含む地球表層や生命の誕生と進化などを「化学」を用いて探求する学問分野です。地球化学は、元素、同位体、化学種の存在度、分布、移動、変化を空間的あるいは時間的に取り扱い、それらを支配する法則や原理を見つけだすことにより、地球や太陽系の様々な現象の解明を目指しています。隕石や月試料などの地球外物質を対象とする宇宙化学も含めて地球化学と呼びます。
対象とする物質は、固体地球や惑星を構成する岩石や堆積物、隕石、大気、海水や陸水、火山ガスや熱水、生物など、天然に存在する物質すべてと、合成や実験によって得られた試料です。また、これらの化学データに基づいた数値シミュレーションも行っています。
近年は、人類活動による二酸化炭素の放出や海洋汚染など様々な環境問題が発生しています。化学的データに基づいて、現在の地球における物質循環と過去からの地球環境変遷を明らかにすることによって、環境問題に取り組むのも地球化学の重要な課題です。
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