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共通セッション(日本地球化学会と日本鉱物科学会の共通セッション)


J1 地球外物質科学の現状と未来

コンビーナー:
橘 省吾(北海道大) tachi (at)ep.sci.hokudai.ac.jp
三河内 岳(東京大) mikouchi(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
薮田ひかる(大阪大) hyabuta(at)ess.sci.osaka-u.ac.jp

 地球化学的,鉱物学的手法による地球外物質の研究はこれまでに太陽系の形成年代,太陽系元素存在度,初期太陽系での物理化学プロセス,岩石天体の分化過程などを明らかにし,最近ではイトカワ粒子の分析によって,始源的小惑星のダイナミックな姿を解き明かすことに成功した。2020年代には複数の小天体からのサンプルリターンが期待されていることも踏まえ,地球外物質科学の現状とその将来に関し,広く議論する場としたい。


J2 地球内部・高圧化学

コンビーナー:
鍵 裕之(東京大) kagi(at)eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
糀谷 浩(学習院大) hiroshi.kojitan(at)gakushuin.ac.jp
山本 順司(北海道大) jyama(at)museum.hokudai.ac.jp

 地球内部の科学は,地震学、高温高圧実験,計算機実験,そして天然試料の観察によって進展してきた。本セッションでは,地球内部あるいは惑星内部に関連する鉱物科学と地球化学の境界領域,さらにはこれらに隣接する研究分野も対象とし,研究者間の情報交換と議論を深め,新たな研究の切り口を探ることを目的とする。


J3 炭酸塩の地球化学

コンビーナー:
川幡 穂高(東京大) kawahata(at)aori.u-tokyo.ac.jp
小暮 敏博(東京大) kogure(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
鈴木 淳(産総研) a.suzuki(at)aist.go.jp

 本セッションは,日本地球化学会と日本鉱物科学会の共通セッションであるという特色を活かし,地球表層における生物・非生物起源の炭酸塩に関連した様々な地球化学、鉱物学的研究成果を集め、相互啓発を図ることを趣旨とする。具体的には、炭酸塩鉱物のバイオミネラリゼーション(生物鉱化作用)の基本的なメカニズムの解明からその鉱物学的・化学的・同位体学的特徴,さらにそれらを間接指標として用いた環境の復元などを主題として,開催する方針である。


J4 水岩石相互作用

コンビーナー:
奥山 康子(産総研) okuyama-gsj(at)aist.go.jp
高橋 浩(産総研) h.a.takahashi(at)aist.go.jp
土屋 範芳(東北大) tsuchiya(at)mail.kankyo.tohoku.ac.jp
藤本 光一郎(東京学芸大) koichiro(at)u-gakugei.ac.jp
福士 圭介(金沢大) fukushi(at)staff.kanazawa-u.ac.jp
斉藤 拓己(東京大) takumi(at)flanker.n.t.u-tokyo.ac.jp
高橋 嘉夫(広島大) ytakaha(at)hiroshima-u.ac.jp

 本セッションでは,「水-岩石相互作用」に関わる分野横断的な研究発表,情報交換を推進すべく,「みず」をキーマテリアルにして地球プロセスにおける「みず」の役割を学際的に検討する。具体的には,地下水を含む地殻流体のキャラクタリゼーション,変成作用,火成作用とマグマに関る流体,熱水変質,鉱床,熱水実験,以上のプロセスでの流体の発生や移動などを対象とし,分析化学,理論的解析および実験など多様な手法による講演を募集する。あわせて,土壌汚染や除染の鉱物科学,放射性廃棄物地層処分,二酸化炭素地中貯留などの応用的課題を取り上げる講演も歓迎する。


特別セッション

S1 地球化学と生理学:生体プロセスの研究から地球化学へ

コンビーナー:
沢田 健(北海道大) sawadak(at)mail.sci.hokudai.ac.jp
力石 嘉人(海洋研究開発機構) ychikaraishi(at)jamstec.go.jp
中村 英人(北海道大) hideton(at)mail.sci.hokudai.ac.jp

 地球化学と生物学,とくに(植物)生理学との分野横断的な共同研究は,生物地球科学プロセスの解析,地球環境・気候の変動を復元するための生物地球化学的指標の開発・検討,(古)生物・生態系の環境変化に対する応答の解明などに関わるテーマにおいて,本質的な知見や新しい発想を提供している。本セッションは,生物を対象とした地球化学において「生理学(Physiology)」の視点・切り口を重視して,研究成果や議論を体系的にまとめようという新たな試みである。具体的には,培養実験,現生植物を用いた実験,生物分類・進化に関わる研究,食物網に関する研究,古生物化石を用いた研究などの話題提供と討論の場にしたい。


S2 初期地球と生命起源の地球化学

コンビーナー:
薮田 ひかる(大阪大) hyabuta(at)ess.sci.osaka-u.ac.jp
古川 善博(東北大) furukawa(at)m.tohoku.ac.jp
小宮 剛(東京大) komiya(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
吉田 尚弘(東京工大) yoshida.n.aa(at)m.titech.ac.jp
平田 岳史(京都大) hrt1(at)kueps.kyoto-u.ac.jp

 生命の誕生の場となった初期地球はどのような環境だったのか。地球外から地球に供給された有機物などの揮発性成分はどのような組成を持ち,初期地球環境におけるさまざまな化学反応を経た後にはどのような生命前駆物質へ変化しえたのだろうか。初期地球の大気・海洋・内部の変動と生命の進化はどのような影響を互いに及ぼし合いながら関わり続けたのだろうか。両者の関係性を理解することは,地球外のハビタビリティの理解にも繋がる。本セッションでは,有機物はもとより,地球ー生命システムを支えるあらゆる元素(物質)を対象とし,化学進化室内実験,フィールド観察,地球・地球外試料分析といった多角度からこれらの問いに挑むあらゆる研究を歓迎する。また,本研究領域との接点がこれまで見出されていなかったものの,今後の展開に新たな切り口を与えるような異分野からの発表を積極的に歓迎する。


学会基盤セッション


G1 大気微量成分の地球化学

コンビーナー:
谷本 浩志(環境研) tanimoto(at)nies.go.jp
豊田 栄(東京工大) toyoda.s.aa(at)m.titech.ac.jp
松本 潔(山梨大) kmatsumoto(at)yamanashi.ac.jp
持田 陸宏(名古屋大) mochida(at)iar.nagoya-u.ac.jp
角皆 潤(名古屋大) urumu(at)nagoya-u.jp>

 地球温暖化,成層圏オゾン層破壊,大気汚染など,大気組成の変化に起因する地球環境問題を理解するためには,大気微量成分の挙動を詳細に把握することが不可欠である。本セッションでは,温室効果気体,反応性微量気体,エアロゾル等の放出・輸送・化学変質,大気圏と生物圏との相互作用などについて議論を行う。


G2 古気候・古環境解析の地球化学

コンビーナー:
入野 智久(北海道大) irino(at)ees.hokudai.ac.jp
渡邊 剛(北海道大) nabe(at)mail.sci.hokudai.ac.jp
中塚 武(名古屋大) nakatsuka.takeshi(at)f.mbox.nagoya-u.ac.jp
横山 祐典(東京大) yokoyama(at)aori.u-tokyo.ac.jp
原田 尚美(海洋研究開発機構) haradan(at)jamstec.go.jp
長島 佳菜(海洋研究開発機構) nagashimak(at)jamstec.go.jp

 古気候・古環境の復元と解析は地球化学の代表的応用分野の1つです。最近では対象とする地域の古環境復元においても,多種試料・マルチプロクシを用いた共同での解析が主流となっています。本セッションでは,対象試料(堆積物,サンゴ,樹木,アイスコア,鍾乳石等々)や分析手法の垣根を越えて様々な古気候・古環境データを一同に持ち寄り,その相互比較・解析を行うことで分野横断型の古気候学・古環境学の創出を目指します。


G3 放射性廃棄物と地球化学

コンビーナー:
日高 洋(広島大) hidaka(at)hiroshima-u.ac.jp
大貫 敏彦(原子力機構) ohnuki.toshihiko(at)jaea.go.jp
吉田 英一(名古屋大) dora(at)num.nagoya-u.ac.jp
河田 陽介(三菱マテリアル) kawata(at)mmc.co.jp

 放射性廃棄物の地層処分に関する研究は学際領域であるが,地球化学の貢献度はとりわけ高く,重要である。放射性核種の地球化学的挙動,ウラン・トリウムをとりまくナチュラルアナログ,岩石・水相互作用,無機物と有機物の反応,微生物による鉱化作用など様々な観点から放射性廃棄物に関する基礎研究について議論し,これに関する今後の地球化学的研究の発展を考える。また,本セッションでは環境放射能が自然環境に与える影響等に関する話題提供についても歓迎する。


G4 鉱物境界面の地球化学、水-岩石相互作用

コンビーナー:
高橋 嘉夫(広島大) ytakaha(at)hiroshima-u.ac.jp
福士 圭介(金沢大) fukushi(at)kenroku.kanazawa-u.ac.jp
斉藤 拓巳(東京大) takumi(at)flanker.n.t.u-tokyo.ac.jp

 水-岩石相互作用は,地球深部から表層に到るまで,水惑星である地球で起きる化学プロセスの多くを含む。本セッションでは,このような水-岩石相互作用に関する研究を広く募る。また特に,水-岩石反応の主要な反応場である固液界面の化学現象の役割について議論したい。水を介した化学プロセスの研究であれば,天然試料の分析,室内実験,各種モデリング,分析法の開発,微量元素,同位体,環境微生物学など,いかなる分野も包含する。


G5 海洋における微量元素・同位体

コンビーナー:
小畑 元(東京大) obata(at)aori.u-tokyo.ac.jp
張 勁(富山大) jzhang(at)sci.u-toyama.ac.jp
則末 和宏(新潟大) knorisue(at)env.sc.niigata-u.ac.jp
堀川 恵司(富山大) horikawa(at)sci.u-toyama.ac.jp

 近年のクリーン技術および高感度・高精度分析技術の向上により,海水中の微量元素・同位体に関する研究は急速に発展しつつある。国際GEOTRACES計画も順調に進められており,日本もその一翼を担って研究を推進している。本セッションでは海洋における微量元素・同位体の生物地球化学に関わる幅広い研究を受け入れ,積極的な情報交換・交流の場を提供する。


G6 炭化水素資源の地球化学・深部炭素循環

コンビーナー:
早稲 田周(石油資源開発) amane.waseda(at)japex.co.jp
坂田 将(産総研) su-sakata(at)aist.go.jp
鈴木 徳行(北海道大) suzu(at)sci.hokudai.ac.jp
佐野 有司(東京大) ysano(at)aori.u-tokyo.ac.jp

 在来型の石油・天然ガス資源に加えて,これまで非在来型とされてきたオイルサンド,コールベッドメタンの実用化が進むとともに,近年は北米を中心に急速に進展してきたシェールガス・オイルの開発が注目を集めている。また,未来の資源として,メタンハイドレートや微生物を使った炭化水素生産の研究開発も着実に進んでおり,炭化水素資源の多様化が著しい。本セッションでは,これら資源としての可能性をもつあらゆる種類の炭化水素の地球化学について,分析法,特徴,成因など,多様な観点から議論したい。また,これまで研究されたきた炭素循環は大気・海洋など地球の表層に限られ,地球の全炭素量の10%を扱っているにすぎない。本セッションでは,地球のコアまで含めた深部の炭素循環についても議論する。


G7 地球表層水圏と生態系

コンビーナー:
丸岡 照幸(筑波大) maruoka(at)ies.life.tsukuba.ac.jp
和田 茂樹(筑波大) swadasbm(at)kurofune.shimoda.tsukuba.ac.jp
瀬戸 繭美(奈良女子大) seto(at)ics.nara-wu.ac.jp
益田 晴恵(大阪市立大) harue(at)sci.osaka-cu.ac.jp

 生物活動とそれに伴う生物化学作用は,地球表層部の水圏におけるエネルギーと物質移動を規制する重要な因子である。ここでは,涵養源としての森林,湖沼や河川,沿岸海域などの表層水あるいはごく浅所の地下水環境における生態系・生物活動と化学物質との関係を議論する。マクロとミクロの観点から,生物圏と水圏の相互作用を取り扱った研究成果を広く募りたい。


G8 マントル物質の化学とダイナミクス

コンビーナー:
下田 玄(産総研) h-shimoda(at)aist.go.jp
鈴木 勝彦(海洋研究開発機構) katz(at)jamstec.go.jp
小木曽 哲(京都大) kogiso(at)gaia.h.kyoto-u.ac.jp
石川 晃(東京大) akr(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp

 46億年にわたるマントルの地球化学的進化,全マントル規模での物質循環,地球化学的貯蔵庫の起源の解明などに関連した研究を対象とする。島弧火成岩,海洋島玄武岩,マントルゼノリス,オフィオライト,隕石等の岩石試料を用いた化学的研究,実験岩石学的研究,数値計算等,あらゆるアプローチの研究を歓迎する。


G9 地球外物質・宇宙惑星化学

コンビーナー:
圦本 尚義(北海道大) yuri(at)ep.sci.hokudai.ac.jp
若木 重行(北海道大) wakaki(at)ep.sci.hokudai.ac.jp
馬上 謙一(北海道大) bajo(at)ep.sci.hokudai.ac.jp

 はやぶさのサンプルリターン成功により隕石や宇宙塵以外の新しい地球外物質を日本は手にした。本セッションでは,新旧の地球外物質の分析成果とそれより得られる科学についての幅広い発表を歓迎する。また,太陽系の起源と進化についての研究とそれにより得られた成果から予測できる新しい地球外物質解析法の展開についての発表も歓迎する。次世代分析手法についての取り組みも歓迎である。


G10 同位体効果研究の地球化学への応用

コンビーナー:
武蔵 正明(首都大) mmusashi(at)tmu.ac.jp
大井 隆夫(上智大) t-ooi(at)sophia.ac.jp
野村 雅夫(東京工大) mnomura(at)nr.titech.ac.jp
谷水 雅治(海洋研究開発機構) tanimizum(at)jamstec.go.jp

 地球科学の諸問題解決のため,同位体効果の計算科学的・実験的研究は,その重要性を増しつつある。特に質量依存あるいは非質量依存同位体効果や酸 化還元反応に伴う同位体分別効果は,物質循環研究の新しいツールとして期待される。このセッションでは,軽元素(H,Heなど)から重元素(Uなど)に至るまで,地球化学に関するあらゆる元素の同位体科学的研究の投稿を歓迎する。また,同位体効果に関する実験的,理論的 的研究のみならず,安定同位体を道具や手段として利用した研究の投稿も歓迎する。


G11 現世および過去の有機物・微生物・生態系の地球化学

コンビーナー:
川幡 穂高(東京大) kawahata(at)aori.u-tokyo.ac.jp
奈良岡 浩(九州大) naraoka(at)geo.kyushu-u.ac.jp
山本 正伸(北海道大) myama(at)ees.hokudai.ac.jp
高野 淑識(海洋研究開発機構) takano(at)jamstec.go.jp

 現世および過去の有機物・微生物・生態系は,地球表層の物質循環,特に,炭素を含む生元素の循環に大きな役割を果たしてきた。過去の有機物・微生物・生態系は生物や環境の進化に伴い大きく変化したことはゆうまでもないが,将来の地球環境をうらなう上でも鍵となる要素を多く含んでいる。本セッションでは,先カンブリア時代から現代に至る有機物・微生物・生態系の地球化学を扱うとともに,その分析法の開発なども扱い,将来の新しい学問の項目を創設することを目指します。


G12 水圏環境化学

コンビーナー:
板井 啓明(愛媛大) itai(at)sci.ehime-u.ac.jp
坂田 昌弘(静岡県立大) sakatam(at)u-shizuoka-ken.ac.jp
太田 充恒(産総研) a.ohta(at)aist.go.jp
高橋 嘉夫(広島大) ytakaha(at)hiroshima-u.ac.jp

 近年,人間活動による汚染物質の水圏への流入や,地球規模の環境変動に伴う水循環・水質の変化が,水圏生態系や人間社会に及ぼす影響が懸念されている。本セッションでは,水圏環境の物質循環と,その環境化学的影響に関する研究を広く扱う。陸水,海水,水-土壌・岩石系などにおける化学的現象についての講演や,新しい手法、水文学的研究,モデリング,観測技術,水圏環境モニタリングなどに関する講演も歓迎する。


G13 海洋化学・大気水圏(全般)

コンビーナー:
植松 光夫(東京大) uematsu(at)aori.u-tokyo.ac.jp
濱健 夫(筑波大) thama(at)biol.tsukuba.ac.jp

 海洋化学は,海洋大気の化学,海水の化学,海洋生物の化学,海洋堆積物の化学を包含している。海洋環境中に気体,液体,固体で存在する化学成分の濃度,存在形,分布,そして各成分の存在割合などは,時空間的に大きく変動する。地球環境の変化に与える,あるいは与えられる海洋の化学の変化や影響は多大である。本セッションでは,海洋環境中の化学物質の理論,室内実験,観測,モデルなど,様々な地球化学的手法を用いて,現在,注目されている現象やその過程解明に向けて,幅広く課題を募り,議論する場としたい。


G14 固体地球化学(全般)

コンビーナー:
折橋 裕二(東京大) oripachi(at)eri.u-tokyo.ac.jp
大野 剛(学習院大) takeshi.ohno(at)gakushuin.ac.jp
小宮 剛(東京大) komiya(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
山本 伸次(東京大) syamamot(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
角野 浩史(東京大) sumino(at)eqchem.s.u-tokyo.ac.jp

 本本セッションでは固体地球を構成する物質を用いた地球化学に関連するありとあらゆる研究を対象としている。特にこれまでの固体地球分野のカテゴリーに捕われない,大胆で萌芽的な研究発表を歓迎する。


G15 固体地球における水とその役割

コンビーナー:
岩森 光(東京工大) hikaru(at)geo.titech.ac.jp
小木 曽哲(京都大) kogiso(at)gaia.h.kyoto-u.ac.jp
石橋 純一郎(九州大) ishibashi.junichiro.779(at)m.kyushu-u.ac.jp
野口 直樹(東京大) noguchi(at)eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
益田 晴恵(大阪市立大) harue(at)sci.osaka-cu.ac.jp

 本セッションでは,地球内部を流れる,あるいはそこに固定されている水や親水成分に注目し,水が流れることあるいは存在することにより引き起こされる物質移動と集積のメカニズム,温泉,鉱床,火山・マグマなどの形成過程,岩石・鉱物が水を固定することで起こる物性の変化や,それに伴う地震等の現象,ひいてはそれらが地球進化において果たす役割など,地球内部の水に関わる研究を幅広く取りあげます。


G16 地球化学の人文科学への応用

コンビーナー:
丸岡 照幸(筑波大) maruoka(at)ies.life.tsukuba.ac.jp
北川 浩之(名古屋大) hiroyuki.kitagawa(at)nagoya-u.jp
宮田 佳樹(名古屋大) miyata(at)nendai.nagoya-u.ac.jp
南 雅代(名古屋大) minami(at)nendai.nagoya-u.ac.jp

 人間の歴史は,遺跡,遺物,古記録,古文書などの形で残されている。こうした記録媒体を,自然科学的な視点から分析することは,より正確な歴史の復元につながり,さらに,そこから人類の近未来を予測することで,環境問題等の課題の克服に貢献できるものと考える。本セッションでは,地球化学的手法を人文科学分野に応用した研究を広く募り,境界領域を切り開く新たな地球化学研究の議論を行う場を提供する。


G17 分析化学・物理化学

コンビーナー:
平田 岳史(京都大) hrt1(at)kueps.kyoto-u.ac.jp
横山 哲也(東京工大) tetsuya.yoko(at)geo.titech.ac.jp
大野 剛(学習院大) takeshi.ohno(at)gakushuin.ac.jp

 試料を構成する元素,同位体,化学種の存在度,分布,移動,変化を空間的・時間的に調べ,それらを支配する法則や原理を用いて,地球や惑星を構成する物質の構造や循環を調べるのが地球化学である。最近の分析・データ解析技術の進歩により,試料から得られる地球化学的知見の質と量は飛躍的に向上し,それにより研究の深化も急速に進んでいる。本セッションでは,分析の原理や方法論,さらにはそれらの進歩を支える物理化学に関する問題点を共有するとともに,その解決に向けた具体的研究協力体制の構築を模索する機会を提供する。


G18 原発事故で放出された放射性核種の環境動態

コンビーナー:
高橋 嘉夫(広島大) ytakaha(at)hiroshima-u.ac.jp
吉田 尚弘(東京工大) yoshida.n.aa(at)m.titech.ac.jp
海老 原充(首都大) ebihara-mitsuru(at)tmu.ac.jp
恩田 裕一(筑波大) onda(at)geoenv.tsukuba.ac.jp

 2011年3月に発生した福島第一原発の事故により放出された大量の放射性核種は,大気,河川,海洋を媒体に広域に拡散している。この拡散に関連する研究は,初期の放射性核種の分布状況の観測・評価から,最近では個々の系での動態を支配する素過程の解明や拡散・輸送機構のモデル化に移行しつつある。本セッションは,このような放射性核種の環境動態の理解を目的に,関連した大気圏,水圏,土壌・岩石圏,生物圏を対象にしたあらゆる研究を対象にする。また,放射性核種の拡散・輸送機構の理解や拡散モデルの構築なども取り上げる。広い見地からの研究アプローチを取り入れるため,幅広い専門の研究者の参加を期待する。