▼ 市民講演会

2018年度日本地球化学会市民講演会

ご案内をこちら(市民講演会ポスター市民講演会プログラム)からダウンロードできます。

テーマ:
“海という宝箱” ~科学者が教えてくれる宝のありか,ぼくたちが探す未来の宝~

主催:
一般社団法人日本地球化学会
後援:
国立大学法人琉球大学
琉球大学理学部ORCHIDS事業
沖縄県
沖縄県教育委員会

日時:
9月9日(日) 14:00~17:00(開場13:30)
場所:
沖縄県立博物館・美術館3階講堂
http://okimu.jp/
内容:
学会員による最先端の研究紹介 3件
琉大教員の発表 1件
県内高校生による探求研究発表 2件

講演者(敬称略)及び講演タイトル(発表順)
 川口 慎介(JAMSTEC) 沖縄トラフの海底熱水鉱床を,どうする?
 鈴木 勝彦(JAMSTEC) マンガンクラストって何? レアメタルをくっつける海底の黒いシートの不思議
 野崎 達生(JAMSTEC) レアアース泥:日本の排他的経済水域に分布する膨大なレアアース資源
 James Reimer(琉球大学)深海の生物多様性について

参加予定高校(順不同)
 沖縄県立球陽高等学校
 沖縄県立那覇高等学校

対象:
中高生,大学生,学校教員,一般の方
参加費:
無料
申込方法:
メールで年会事務局(2018LOC@geochem.jp)にお申込みください。件名は「市民講演会参加申込(氏名)」とし,本文には氏名と連絡先の住所を記入してください。また,あらかじめ発表者に聞きたいことがあれば,ご質問やご意見をくださっても構いません。時間の許す限り,講演者の皆さんに答えてもらいます。
定員:
先着200名

‒講演要旨集‒

講演者1:川口 慎介(JAMSTEC)
沖縄トラフの海底熱水鉱床を,どうする?
〈概要〉
 沖縄県の北西側に広がる窪んだ海底,沖縄トラフには海底熱水活動域が多数存在し,そこでは熱水性鉱床が今まさに形成されています。はたして沖縄トラフの海底にはどれだけの貴金属が存在しているのでしょうか。一方,熱水活動域には,熱水が無いと死んでしまう特異な生物群集が活動しています。仮に熱水性鉱床を掘り起こした場合,生物群集はどうなってしまうのでしょうか。一緒に考えてみましょう。 

講演者2:鈴木 勝彦(JAMSTEC)
マンガンクラストって何? レアメタルをくっつける海底の黒いシートの不思議
〈概要〉
 マンガンクラストは海山の斜面にへばりついている主に鉄とマンガンと酸素でできた黒いシートです。不思議なことに、バッテリーに使われるコバルトやニッケルなどの生活に重要な金属や白金のような貴金属も表面にくっつけながら長い時間をかけて成長します。どうやって貴重なレアメタルを海水から集めているのか解説します。

講演者3:野崎 達生(JAMSTEC)
レアアース泥:日本の排他的経済水域に分布する膨大なレアアース資源
〈概要〉
 レアアース元素(希土類元素)は我が国の最先端産業に欠かせない資源ですが,世界の供給体制は中国一国に大きく依存したいびつな構造になっています。2011年,高濃度のレアアース元素を含む深海泥(レアアース泥)が太平洋沖に広く分布していることが報告されました。そして,これを契機として2013年からは南鳥島沖を中心として,日本の排他的経済水域内においても盛んに調査航海・研究が行われています。本講演ではレアアースとは何かという基礎的なことから,レアアース泥の生成メカニズム,調査・研究の最新動向について紹介します。

講演者4:James Reimer(琉球大学)
深海の生物多様性について
〈概要〉
 海洋の平均水深は4000メートルですが,海洋生物の研究はこれまで主に浅海域で行われてきました。そのため,深海域の生物については,実はほとんどわかっていません。最近の50年間,深海域では化学合成生態系~生きた化石に至るまで,探検家たちによる数多くの発見がありました。今回の発表では,新しいROV(無人探査機)の話も含めて,日本周辺から発見された深海の生物たちについて紹介します。