▼ A low trophic position of Japanese eel larvae indicates feeding on marine snow
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ウナギの幼生の食性を解明
JAMSTEC海洋・極限環境生物圏領域大河内直彦プログラムディレクター、力石嘉人主任研究員,小川奈々子技術主任は、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授らと共同で、自然界におけるウナギの幼生「レプトセファルス」は、プランクトンの遺骸などからできるマリンスノーを食べることを明らかにしました。本成果は、Biology Letters誌に掲載されました。
近年、ウナギの漁獲量は大幅に減少しており、完全養殖技術の確立が求められています。しかし、養殖のかぎとなる「ウナギレプトセファルスが自然界で何を食べるのか」については、マリンスノー説、オタマボヤのハウス説、ゼラチン質動物プランクトン説、体表栄養吸収説(すでに否定)の4説に分かれ、長年議論がされてきました。
そこで本研究では、JAMSTECが開発した「アミノ酸の窒素安定同位体比を用いた栄養段階推定法」を応用して、実際の海で採取したウナギレプトセファルス9個の体内のアミノ酸における窒素同位体の割合を分析し、それぞれが食物連鎖の中でどこに位置するのか栄養段階を推定しました。結果、植物プランクトンを専食する動物プランクトンに近い「2.4」という数値を得ました。これは、栄養段階「3」以上を必要とするオタマボヤのハウス説やゼラチン質プランクトン説を否定しており、長年の議論に決着をつける結果となります。またこの成果は、ウナギレプトセファルスが成長するにあたり必須である栄養成分を解明し、早期実現が望まれているウナギの完全養殖の重要な情報源となります。
ウナギレプトセファルス
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