▼ 佐藤峰南 尾上哲治 野崎達生 鈴木勝彦 会員らの成果が Nature Communications にて発表されました。
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オスミウム同位体分析から巨大隕石衝突の証拠を発見
佐藤峰南(会員 九州大学理学府 博士課程2年)
佐藤峰南会員(九州大学),尾上哲治会員(熊本大学),野崎達生会員,鈴木勝彦会員(海洋研究開発機構)の研究グループは,岐阜県坂祝町および大分県津久見市から採取された岩石試料について,白金族元素のひとつであるオスミウム同位体分析を行いました.その結果,およそ2億1500万年前に,直径3.3~7.8 kmの巨大隕石が地球に衝突した強固な証拠を発見しました.これは,2012年に同研究グループが岐阜県で発見した隕石衝突により形成されたと推定される地層を用いたもので,隕石衝突の規模や隕石のサイズは明らかになっていませんでした.
研究内容
本研究では,独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス領域(IFREE)に設置されているマルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析装置(MC-ICP-MS)を用いた分析により,隕石に特有の高いオスミウム濃度と低いオスミウム同位体比を三畳紀後期の粘土岩から発見しました.これは,巨大隕石の衝突により蒸発した隕石由来の大量のオスミウムが海洋に供給され,最終的に深海底の堆積物中に固定されたことを意味します.さらに本研究では,当時の海洋に供給された隕石由来のオスミウム量を見積もることで,衝突した隕石の大きさを推定することに成功しました.計算の結果,衝突した隕石は直径3.3~7.8 kmと巨大なサイズであったことが明らかになりました.
掲載論文
Sato, H., Onoue, T., Nozaki, T. and Suzuki, K., 2013, Osmium isotope evidence for a large Late Triassic impact event. Nature Communications, 4, 2455, doi:10.1038/ncomms3455.
隕石衝突によって形成された球状粒子(スフェルール)を含む岐阜県坂祝町の粘土岩の薄片写真.
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